佐藤建築事務所

映画『マイ・アーキテクト』を観ました。

映画『マイ・アーキテクト』を観ました。

先日ご紹介した映画『マイ・アーキテクト』をシネマクレールでの興行初日に観ました。アメリカの著名な建築家ルイス・カーンのドキュメンタリー映画はナサニエル・カーンが自らカメラを回したものですが、最初のほうは少し違和感を覚えるものでした。ナサニエルさんには悪いですが、家族と愛人の話にそれを感じたからだと思います。 アン・ティンとハリエット・パディソン(ハリエットのことは今まであまり紹介されていなかったので知りませんでした)が出てきますが、本当にアン・ティンは、建築をともに闘うための同志だったような気がします。彼女は幾何学の戦略家であったと聞いていますし…… それにしても映画に出てくるフィッシャー邸は素晴らしいですね。建築家としての人生が終わるまでに、あのような住宅を是非つくってみたいと願っています。 GARLAND出版社のカーンのアーカイヴにはなぜかフィッシャー邸のみ載っていないようですが、前田忠直先生(京都大学教授)が、近いうちに何らかの形で紹介してくれることと聞いています。 最後のシーンはダッカの国会議事堂が水面に映っている姿に感動しました。アメリカでも活躍している建築家、槇文彦氏がかつてカーンが愛したローマを越えたと評していましたが、良くわかる気がします。国会議事堂で語っていたインドの建築家、シャムール・ウォレスさんの言葉には涙腺が緩みました。 近日、DVDが日本でも発売されるそうですね。また11月17日には岡山のさん太ホールでも上映されるようです。