旧日銀岡山支店「ルネスホール」　Ⅱ期

RENAISS HALL SECOND CONVERSION

旧日銀岡山支店「ルネスホール」　Ⅱ期

2005年の本館改修より6年の歳月を経て、ようやく悲願であったⅡ期工事が完成した。昭和41年竣工の金庫棟は、その性格上極めて堅牢な建物であり、耐震指標のIS値も良好な結果を得られていた。そこで、主要構造部はそのまま保存し、設備の配管穴などを除き、基本的に躯体の欠損を最小限にとどめた計画とし、建築基準法上「用途変更」建物として扱う方針が、担当行政との協議の中で決定された。整備の内容は、地域のアーティストを中心とした練習や作品発表、また交流の場とし、幅広い層の芸術文化の人材育成拠点とする。地下1階には、室内楽ホールとしての本館に機能をサポートするため、練習・録音スタジオ、1階にはアートギャラリー、2階は様々なジャンルのグループが使えるワークルームにリニューアルされた。全体構成としては、通行軸と直行方向に平行配列された層状空間が幾重にも繋がる構成とした。ホワイエからホールへ、廊下からコートへ、ラウンジから中庭へそしてギャラリー１、ギャラリー２へと平行配列された層状空間が奥へ奥へと来訪者を誘導し、豊かな空間体験をもたらすものとなるよう考えた。

2005年の本館改修より6年の歳月を経て、ようやく悲願であったⅡ期工事が完成した。昭和41年竣工の金庫棟は、その性格上極めて堅牢な建物であり、耐震指標のIS値も良好な結果を得られていた。そこで、主要構造部はそのまま保存し、設備の配管穴などを除き、基本的に躯体の欠損を最小限にとどめた計画とし、建築基準法上「用途変更」建物として扱う方針が、担当行政との協議の中で決定された。整備の内容は、地域のアーティストを中心とした練習や作品発表、また交流の場とし、幅広い層の芸術文化の人材育成拠点とする。地下1階には、室内楽ホールとしての本館に機能をサポートするため、練習・録音スタジオ、1階にはアートギャラリー、2階は様々なジャンルのグループが使えるワークルームにリニューアルされた。全体構成としては、通行軸と直行方向に平行配列された層状空間が幾重にも繋がる構成とした。ホワイエからホールへ、廊下からコートへ、ラウンジから中庭へそしてギャラリー１、ギャラリー２へと平行配列された層状空間が奥へ奥へと来訪者を誘導し、豊かな空間体験をもたらすものとなるよう考えた。
旧金庫室であるスタジオは、壁厚45cm、上階スラブ厚30cmで囲われた極めて堅牢な構造物である。またスラブに取付く梁は55cmX90cmがピッチ2m強で設けられており、その頑強さにおいて大変ユニークな特色を持つものとなっている。クラシック音楽では平均吸音率0.22～0.25程度が適しており、ジャズや軽音楽では平均吸音率0.25～0.28程度が適している。従って、ある程度ジャンルによって響きの度合いを調節できるよう、スタジオの長辺方向の壁2面にスライド式残響可変反射板を設置している。・最大反射時　平均吸音率の目標値（500Hz）0.22～0.25　実測値0.22（残響時間0.59秒）・最大吸音時　平均吸音率の目標値（500Hz）0.25～0.28　実測値0.25（残響時間0.50秒）　最大反射時・最大吸音時ともに全音域で均一な吸音率が得られ、音響バランスはとても良い。残響可変反射板による「残響可変」は実現できており、平均吸音率も目標とする範囲となっている。

旧金庫室であるスタジオは、壁厚45cm、上階スラブ厚30cmで囲われた極めて堅牢な構造物である。またスラブに取付く梁は55cmX90cmがピッチ2m強で設けられており、その頑強さにおいて大変ユニークな特色を持つものとなっている。クラシック音楽では平均吸音率0.22～0.25程度が適しており、ジャズや軽音楽では平均吸音率0.25～0.28程度が適している。従って、ある程度ジャンルによって響きの度合いを調節できるよう、スタジオの長辺方向の壁2面にスライド式残響可変反射板を設置している。・最大反射時　平均吸音率の目標値（500Hz）0.22～0.25　実測値0.22（残響時間0.59秒）・最大吸音時　平均吸音率の目標値（500Hz）0.25～0.28　実測値0.25（残響時間0.50秒）　最大反射時・最大吸音時ともに全音域で均一な吸音率が得られ、音響バランスはとても良い。残響可変反射板による「残響可変」は実現できており、平均吸音率も目標とする範囲となっている。
長廊のギャラリー1、メインギャラリーであるギャラリー2に加えて、旧換気室（旧金庫室に換気をもたらす為、地下換気室に繋がる風洞スペース）もギャラリー0スペースとし、入口の大金庫扉と併せて大小3つの金庫扉と来訪者が直に手に触れ観賞できるスペースとした。ギャラリー1は、天井をガラスクロスシェードとし、柔らかな光の演出を試みた。ギャラリー2は天井を張らず、梁型を見せ、古い構造体をそのまま意匠としている。また、陶芸・ガラスなど置型展示のための展示棚は可動式とし、大きな絵画展示等にフレキシブルに対応できるものとした。照明は配線ダクト式スポット照明と吊り下げ式蛍光灯照明の併用。

長廊のギャラリー1、メインギャラリーであるギャラリー2に加えて、旧換気室（旧金庫室に換気をもたらす為、地下換気室に繋がる風洞スペース）もギャラリー0スペースとし、入口の大金庫扉と併せて大小3つの金庫扉と来訪者が直に手に触れ観賞できるスペースとした。ギャラリー1は、天井をガラスクロスシェードとし、柔らかな光の演出を試みた。ギャラリー2は天井を張らず、梁型を見せ、古い構造体をそのまま意匠としている。また、陶芸・ガラスなど置型展示のための展示棚は可動式とし、大きな絵画展示等にフレキシブルに対応できるものとした。照明は配線ダクト式スポット照明と吊り下げ式蛍光灯照明の併用。
公文庫カフェと金庫棟1階ホールを繋ぐ丸い金庫扉は、常時開いた状態で展示している。
ギャラリー０に展示されている金庫扉は、もともと金庫質の換気のために設けられていたもの。

公文庫カフェと金庫棟1階ホールを繋ぐ丸い金庫扉は、常時開いた状態で展示している。
ギャラリー０に展示されている金庫扉は、もともと金庫質の換気のために設けられていたもの。
管理・運営団体であるNPO法人は、現在クラシック、ジャズをはじめ、舞台芸術、空間創造、展示企画など様々なジャンルの委員会を持っているが、これらの各部門、また他の文化・芸術団体のワークショップとして利用できるものとした。スライディングウォールで2部屋に区切られ、大小の会議室としても利用できる。ワンルームとして舞台やダンスの練習、また、講演会会場など様々な用途に利用できるよう考えている。凹凸天井の意匠は平均天井高で排煙面積をクリアできるものとした。天井の色は色の3原色と光の3原色の組み合わせで成立している。

管理・運営団体であるNPO法人は、現在クラシック、ジャズをはじめ、舞台芸術、空間創造、展示企画など様々なジャンルの委員会を持っているが、これらの各部門、また他の文化・芸術団体のワークショップとして利用できるものとした。スライディングウォールで2部屋に区切られ、大小の会議室としても利用できる。ワンルームとして舞台やダンスの練習、また、講演会会場など様々な用途に利用できるよう考えている。凹凸天井の意匠は平均天井高で排煙面積をクリアできるものとした。天井の色は色の3原色と光の3原色の組み合わせで成立している。
多目的室はアーティストとの交流スペース。ワンルーム利用で20～30人対応のパーティルーム、また、単室利用で会議・打合室など多目的な利用形態を考えている。

用途／スタジオ・ギャラリー・ワークルーム
構造・規模／鉄筋コンクリート造・地上３階建　建築面積／464.92㎡（Ⅱ期）1,398.44㎡（全体）　延床面積／1,364.79㎡（Ⅱ期）2,464.32㎡（全体）
岡山市北区内山下　2011　佐藤建築事務所／岡山県設計技術センター

多目的室はアーティストとの交流スペース。ワンルーム利用で20～30人対応のパーティルーム、また、単室利用で会議・打合室など多目的な利用形態を考えている。

用途／スタジオ・ギャラリー・ワークルーム
構造・規模／鉄筋コンクリート造・地上３階建　建築面積／464.92㎡（Ⅱ期）1,398.44㎡（全体）　延床面積／1,364.79㎡（Ⅱ期）2,464.32㎡（全体）
岡山市北区内山下　2011　佐藤建築事務所／岡山県設計技術センター